特別養子縁組で子供を迎えた人や、今それを考えている人の中で、結婚当初からそれを考えていた人はほとんどいないのではないでしょうか?
結婚する前から、子供ができないことが分かっていたカップル以外は、最初は実子を持つことを考えるのが自然だと思います。
そのため、不妊治療を経て、実子を持てる可能性が低くなってから、特別養子縁組を考える夫婦は少なくないのではないかと思います。
私たち夫婦も40代半ばで児童相談所に登録しましたし、実際に子供を迎えたのは私が47歳、妻が51歳の時でした。
特別養子縁組に年齢制限は無いといっても、やはり自分たちの年齢は不安要素でした。児童相談所の立場でも若いに越したことはないと考えるはずです。
この記事をご覧のあなたも同じ不安を感じてるかもしれませんね。
そこで、50代でも特別養子縁組を実現させることができるかどうかを私たちの実体験を含めてお伝えしたいと思います。
基本的に年齢に上限はありません!
まず、特別養子縁組には年齢制限はありません。
しかし、現実的には法律上の条件より、実際に斡旋団体がどのようなことを基準にしているのかが重要になります。
これはどの団体でも同じだと思いますが、私たち夫婦が紹介を受けた児童相談所も子供が将来にわたって健全な養育を受けられるかどうか?それをいろんな角度から見られていたように思います。
そこで、実際に私たち夫婦が紹介を受けた児童相談所がどのようなことを重視していたかをお伝えしたいと思います。
心身が健康であること
まず大事なことは、子供の養育に耐えるだけの健康状態であることです。
当然ですが、夫婦のどちらかが病気で十分な養育ができないようでは、子供を託したいと思われません。ただ、日常生活が不自由なくできる程度の健康状態であれば問題ありません。
例えば私の場合は、生まれつきの心臓病の治療のために過去に2回手術を受け、1級の障害者手帳を持っていますが、特に大きな問題も無く日常生活ができているため、問題視されませんでした。
ポイントは健全な養育ができる程度の健康状態であることなので、普通に社会生活ができているのであれば問題ないです。
夫婦関係
夫婦関係を試すテストとか、面談とかがあるわけではないのですが、児童相談所の担当の方は、夫婦関係をしっかり見ています。
特別養子縁組は法律婚をしている夫婦であることが条件です。これは夫婦同意のうえで協力して子育てすることを期待してのことなので、夫婦関係が悪かったり、将来離婚したりするような関係では信頼を得ることはできません。
その場だけは仲がいいように見せていても、見る人が見ると夫婦関係の良し悪しは分かってしまうそうです。
とは言えこれも日常生活を夫婦一緒に過ごせていれば、十分問題ないです。
経済状況
重要視されるのは、やはり世帯収入です。
当然、どれくらいなら大丈夫なのかが気になると思いますが、実際に確認されるのはサラリーマンなら源泉徴収票で、確定申告書をしているのであれば、それも確認されます。
私の場合、当時は個人事業主だったのですが、節税のために経費を計上していたこともあり、世帯収入としては600万円程度でした。
40代の夫婦でそれだけでは、少ないと思われないか不安だったのですが、問題ありませんでした。
居住環境
主に家の広さや、間取りなどを確認されます。
私たちの場合は、比較的住宅費が安い仙台市郊外居住だったこともあり、4LDKという広い家に住めていました。
子供用の空き部屋もあったため、この点は自信が持てるポイントでした。
ただ子供部屋があるかどうかが重要なのではなく、寝起きするための十分なスペースがあるかどうかとか、整理整頓されていて衛生的に問題ないかどうかなどがポイントです。
親族の同意
夫と妻の両親、子供から見た祖父母になる人の意志も確認されます。
両親の面接などはなかったのですが、同意書に署名をもらう必要があるため、ちゃんと説明して両親から賛同を得る必要があります。
賛成してもらっていれば問題ないのですが、私の両親も最初は戸惑いがあったようなので、早めに説明して心を準備する時間を作ってあげた方がいいと思います。
その他
その他には特別養子縁組で子供を迎えたい理由や(場合によっては普通養子縁組ではなく特別養子縁組を望む理由)子供にしてあげたいことなどのいろいろなことも確認されます。
斡旋団体によって基準は様々ですが、共通するのは子供を託しても大丈夫かどうかです。そこには明確な基準は無く、担当の方々の判断にゆだねられます。
ここに書かなかったことを質問される可能性が高いので、迷いが出ないように夫婦で十分話し合っておくことをおすすめします。
私たちはアラフィフでしたが紹介されました!
私たちはアラフィフ夫婦でしたが、当時8歳だった今の息子を紹介してもらうことができました。その経験を踏まえると年齢が問題になることは無いと思います。
なぜかというと、私たちは非常に厳しい状況の中で子供を紹介してもらえたからです。
私たちが特別養子縁組里親として児童相談所に登録した当時、担当の方に”目安として、どれくらい待てば子供を紹介してもらえるのか?”と尋ねたところ、”現在30組が特別養子縁組に登録していて、昨年は1人※の子供が紹介できました”と言われました。それを聞いた私は1年に1人紹介されるかどうかで、30組待ってるんだとしたら、30年以上かかる可能性があるのかと絶望的な気持ちになったのを覚えています。
もちろん紹介される基準は登録したカップル順ではないのですが、30組もいれば自分たちよりも若くて条件のいい夫婦はたくさんいると思います。そうなれば私たちのようなアラフィフ夫婦が子供を紹介されることはないだろうと思いました。
そんな厳しい状況だったにもかかわらず、他の29組ではなく私たちに声がかかったのです。
実は私たちの年齢は気にならなかったのかも聞いてみたのですが、「8歳の子供なので、一番体力が必要な時期は過ぎているから年齢は気にしなくて大丈夫だと思いますよ」と、むしろこっちを気遣ってくれましたw
一番重視されることは子供の利益です。それを考えた時に年齢はその中の一部に過ぎないのです。
※児童相談所からの子供の紹介数が少ない理由
そもそも児童相談所は孤児ではなく、経済的困窮、病気、DVなど、何らかの養育困難な事情がある家庭から保護した子供が中心になります。その子供たちの利益を考えた上で、一般的に次のような順番で検討・支援します。(もちろん事情によってはこの順番の限りではないです)
- 実親さんの支援
養育困難な原因が取り除かれるように支援した上で、実親さんの家庭に戻れるように段階的に支援します。その過程で短期で養育里親に委託されることもあります。- 実親さんの親族の養育を検討
実親さんの養育が困難な場合は親族の方が養育できるかどうか検討します。- 養育里親さんへの委託検討
実親さんや親族が養育できるようになるまで時間がかかる場合、養育里親さんへの委託が検討されます。- 特別養子縁組の検討
実親さんの養育が恒久的に困難だと判断された場合、得意別養子縁組が検討されます。このように児童相談所においては、特別養子縁組は最終手段的な位置づけなので、紹介される子供の数は少なくなる傾向があります。
一方で民間団体の中には、予期しない妊娠や、最初から実親さん自らが養育困難と判断して相談することが入り口になっているところもあります。
そのような団体の場合は、特別養子縁組として紹介される子供も多くなるようです。
私からのアドバイス
では実際にはどんなことをすれば、子供を紹介してもらいやすくなるのか?それが重要だと思います。
実際の私たちの経験から、アドバイスできればと思います。
夫婦関係を良くする
私はこれが最も大切だと考えています。
私が所属しているキリスト教の教会では定期的に子育て研修会をしているのですが、そこで最初に言われることは『いい夫婦関係は子供への一番の贈り物』だということです。
実際に統計を取ってみると、両親の離婚を経験している人はそうじゃない人より離婚率が高いです。また、親から暴力を受けた経験がある人は、そうじゃない人よりも子供に暴力をふるう可能性が高いのです。
児童相談所の方々も子供を委託する夫婦の関係は重視しているようです。
息子を迎えた後のある日、やはりなかなか思い通りに行かない子育ての相談をするために児童相談所を訪問しました。
その時に「何よりもお二人は夫婦関係がいいのでそれはどんな知識やテクニックにも勝ることですよ!」と励まされとても嬉しくて、励まされたのを覚えています。
いい夫婦関係があれば、子供を紹介されやすくなるだけでなく、実際に子供を迎えた後の子育てにも多くく役立ちます。
いい夫婦関係を作るには時間がかかるので、今すぐにでも始めることをおすすめします!
自己アピールする
私たちが子供を紹介してもらえた理由には自己アピールしたことが大きく影響したと思っています。
私たちの場合、特別養子縁組里親に登録した直後にコロナ禍に突入してしまったこともあり、児童相談所主催の研修会イベントなども無くなり、子供も紹介されることもなく、3年間何も連絡が無く時間が過ぎてしまっていました。
このままではどんどん年を取ってしまうだけと焦った私たちは、表向き”子供が未委託の時でもできることをアドバイスしてもらいたい”という理由でありながら、実際は自分たちのやる気を見せるために、児童相談所の方とアポイントメントを取って、話す時間を作りました。
“私たちに子供を紹介してください!”というような露骨なアピールはしませんでしたが、この時間のおかげで私たちのやる気や人柄が伝わったんじゃないかと思います。
児童相談所の方々も最適な夫婦を選ぶために悩むでしょうし、そのためにたくさんの情報が欲しいはずです。
実際に会ったことがあって、どんな人なのか分かっている夫婦が候補に挙がりやすいのは自然なことだと思います。
ただ、くれぐれも注意して欲しいのは、児童相談所の方々はとても忙しい人たちだということです。熱意を示したいからといって、何度も電話したり、会いに行ったりするのはやめてくださいね。
まとめ
今回は私たちの経験を踏まえて、児童相談所を通して特別養子縁組を進める前提でお伝えしました。
実際には民間団体を利用する場合は年齢制限がある場合が多く、年齢制限が無い児童相談所の場合は紹介数が少ないというジレンマがあります。
そう考えると50代夫婦には特別養子縁組は難しいとため息が出てしまうかもしれません。
しかし、どんな団体であっても、信頼できる夫婦に子供を託したいという考えに変わりはないはずです。
そのため、子供が一人前になるまで育て上げるという覚悟とそのために夫婦関係や養育環境を整えることが一番重要なことだと思います。
どちらにしても、悩むよりも、まずは自分たちの年齢でも利用できる団体に相談してみることをお勧めします。
あなたが将来を共にできる子供と出会えること願っています!



