自分が好きなことを仕事にしたいと、誰でも考えると思います。ところが実際に仕事を探す時になると、不得意な業種で就職活動をしてしまい、なかなか仕事が決まらなかったり、好きなだけで不得意なことを仕事にしてしまい、ストレスで体を壊してしまったりします。
“好き”と”得意”という概念は、とても当たり前で誰でも知っていることだと思います。それにもかかわらず、まだまだその違いが分からずにする必要の無い苦労やストレスを抱えている人が多いように感じます。
そこで、今回は好きと得意の違いと見つけ方をお伝えしていきます。
好きと得意の違い
仕事や何かの活動をする時、好きと得意の区別ができていないと、”こんなはずじゃなかった!”と後悔することになるかもしれません。
そうなってしまう典型的な理由は、好きと得意を意識せず、“できそうな事かどうか?”で考えてしまうことです。
“できそうかどうか?”という漠然とした感覚には、危険な場合があります。それは好きだからできると考えてしまっている場合です。
この記事にも書いた通り、好きであっても、得意でない事はよくあります。
不得意なことをやるのは、とても大変でストレスに感じることです。最悪の場合、鬱になってしまうかもしれません。
収入を得るための仕事や、何か責任ある活動をする時に、好きと得意の違いをちゃんと区別できていることはとっても大事なことなのです。
それぞれの違いを詳しく説明していきます。
好き
好きはそれをやっていると楽しさや喜び、充足感などのポジティブな感情になれる事柄です。趣味なんかはまさにそれです。
そして、自分が能動的にできない事は該当しません。例えば”晴れている日”が好きだとしても、それは天気で合って、自分がやる事ではないので、好きには該当しません。
具体的には次のような条件を満たす事です。
- 時間を忘れて没頭できる
- 休みを取ってでもそれをやりたい
- お金を使っても惜しくない
- 多くの時間を費やしている
- 時間ができると、まずそれをやる事を考える
- それの話は必ず長くなる
- こだわりが強すぎて驚かれる
- それをやっているのを邪魔されるのが嫌
- 仕事にできたら幸せだと思う
ハッキリ区別する必要があるのは、”好き”であっても、必ずしも上手にできるとは限らないということです。
『好きこそ物の上手なれ』なんて言葉がありますが、好きでも不得意なことなど、たくさんあります。
例えば私は土いじりが好きで、野菜や花を庭に植えて育てていますが、すぐに枯らしたり病気にしてしまいます。農業のスキルは、プロの農家の方々の足元にも及びません。
でも、私にとって野菜や花の栽培は、下手ですが確かに好きな事です。
このようにそれが上手かどうかは考えず、とにかく好きな物事を考えてみてください。
得意
得意は圧倒的な速さとクオリティでできてしまう事柄です。
好きとは違い、喜びや楽しさのような感情が沸いてこなくても、とにかく良いパフォーマンスが出せることがポイントです。
具体的には次のような条件を満たす事です。
- 人よりも何倍も早くできる
- それについてのことは少し聞いただけでできてしまう
- 人ができないのを見ると不思議に思う
- 人よりも何倍も集中してできる
- 圧倒的なクオリティできる
- ストレスを感じずにできる
- 褒められたり、羨ましがられたりしたことがある
- 大したことじゃないのに、感謝されたことがある
得意な事柄をリストアップする際に意識して欲しいことは、好きじゃないけど、得意なことも書き出すことです。
それをしていても、楽しさや喜びのようなポジティブな気持ちにならないものの中にも、得意な事柄が存在する場合があるのです。
例えば私の場合だと、人に何かを指導する時に、安心感や自信を持たせながら上手に教えることができると、よく人から言われます(本当にそうかどうかは分かりませんが)。
でも、私は人に何かを教えるという行為自体に、楽しさや喜びを感じることはあまりありません。
このように自分では意識しない事の中にも得意が存在することがたくさんあります。実はこのような自分も知らない得意な事柄が、計り知れない恩恵をもたらす財産であることがよくあります。
自分にとって大したことじゃない事や、楽しいと思わない事にも意識を向けて、考えてみてください。
好きと得意を整理する
好きと得意の違いを理解するには、実際に自分の好きと得意をリストアップすることが一番です。
なぜなら違いが分かっていなければ、区別してリスト化することができないからです。
これから紹介することを順番にやって、好きと得意を整理してみてください。
リストアップ
まずは好きと得意の違いのところで、説明した条件に合う好きと得意をなるべくたくさんリストアップしてみてください。同じ事柄が好きと得意の両方に該当しても構いません。
また、得意をリストアップする時には、自分が少しでも得意だと感じることは全て書き出してください。人と比べたり、結果の有無や成果の大小などは、完全に無視してください。
どんなことでも自分よりも上の人は必ずいるので、そのような人たちと比べてしまうと得意なことが無くなってしまうからです。
普段自分でも気付いていない好きや得意を見つけることが大事なので、頑張ってアウトプットしてみてください。目標はそれぞれ30個です!
分類を確認
リストアップ出来たら、得意に書いたことが、実は好きなことではないか、逆に好きに書いたことが、実は得意なことではないか確認してみてください。
好きでも得意でもあるというのはOKです。
慣れないと間違いやすいので、もう一度確認してみてください。
抽象化
最後に好きと得意にリストアップしたことに共通点を見つけてグループ分けしていきます。
好きの方はジャンルで分けると分けやすいです。得意の方は共通する能力やスキルなんかで考えると分けやすいと思います。
そしてグループ分けが終わったら、それぞれのグループを表すラベルを一言で付けます。
ラベル付けをすると、自分の好きや得意の傾向が見えてくるので、さらに自分自身の理解が深まります。これを抽象化といいます。
抽象化してみると、自分でも色んな発見があるのではないかと思います。
好きと得意は時間が経つと、増えたり変わったりします。定期的に見直すと自分の変化や成長を可視化できるのでお勧めですよ!
まとめ
今回は好きと得意の違いを明らかにしながら、実際に好きと得意をアウトプットして整理するワークをやってみました。
どちらも自分の生活のクオリティを上げるために、非常に重要なことなので、ぜひ、やってみてください。
次回は好きと得意を仕事や生活に活用する方法を解説していきます!