子供の頃の私は、母から勉強していい大学を出て、いい会社に入るように言われ続けました。14歳の時に先天性の心臓病があることが分かってからは、なおさら強く言われるようになりました。
私自身も将来のこととか幸せになることについて、深く考えることも無かったですし、母からそう言われ続けて育ったため、大学を出てそれなりの会社に就職し、誰かと結婚出来たら、最低限の幸福は実現できるくらいにしか考えてませんでした。
しかし、実際に社会人になってみると、自分にとっての幸せの形は複雑で、自分でも分からない部分が多いことに気付きました。
最終的には幸せになるどころか、仕事のストレスのせいで、持病の心臓病が悪化し、うつ病まで併発して、会社を辞めることになってしまいました。
そんな私が”幸せの具体的な形”である、自分にとっての理想のライフスタイルを真剣に考えだしたのは、会社を辞める少し前からでした。
人の幸せは自分の不幸!?
当時、仕事のストレスで苦しんでいた私がインパクトと、大きな影響を受けたある本があります。
それはいわゆるミニマムライフとかスローライフを実現しているAさんの本でした。その本の内容は、平日は東京の繁華街でオーガニックな食材で作った食べ物やお酒を出すBarを経営しながら、週末は田舎で米や野菜を作って暮らしているという、Aさんのライフスタイルとそれを実現するまでの経緯でした。
実際に私はAさんのBarに行き、相談に乗ってもらいました。今もお世話になっている特別な方です。
仕事に追われる毎日から解放されたかった私は大いに影響を受けました。サラリーマンを辞めて地方移住して家庭菜園や米作りをしたのも、Aさん影響が大きかったです。
しかし、今の私は家庭菜園も米作りもやってませんし、会社に就職してサラリーマンに戻ってしまいました。
その理由は結局、私にはそのようなライフスタイルは合わなかったからです。
家庭菜園や米作りは最初は楽しかったです。しかし、土づくりや雑草取りなどは、地味で思っている以上に大変でした。収入が不安定な個人事業主的な働き方は、精神的にも辛かったです。
しかし、私はAさんのライフスタイルが間違っているとは思っていません。実際にAさんは今も生き生きと自分のライフスタイルを楽しんで暮らしています。
要はAさんのようなライフスタイルは、私には合わなかったというだけです。
このような経験から、自分にとっての理想のライフスタイルを探す時には、この3つを意識することが大事だと学びました。
見聞きする情報はインパクトがあるもの
テレビ、雑誌、本、Youtubeなど、私たちが日常的に触れる情報ソースから入ってくる人たちのライフスタイルは、どれもユニークでインパクトがあるものばかりです。視聴率や購読数が上げるためには、ユニークでインパクトがある必要があるので当然ですよね。
でも、このような人たちのライフスタイルは、自分とはかけ離れていて、やみくもに真似すると自分が期待した通りにならないことも多いです。
一見すると地味に見える身近な人のライフスタイルでも、自分が幸せになれるものであれば、そっちの方がいいに決まっています!
今の自分は意外に理想と近い
『幸せの具体的な形』は自分でも分かりにくいものですが、そうは言っても自分にとって望ましいと思える選択をしてきた結果、今があるわけです。
選択肢の数や、選択の正確さは低かったかもしれませんが、今の自分のライフスタイルは意外に理想に近いことが多いのです。
実際に私はストレスで体を壊してサラリーマンを辞めましたが、その時と今の違いは、在宅ワークになったことと、自分が得意な仕事ができていることです。
これだけの違いが、天と地ほどの差を生み出しているわけですが、逆に言えばポイントさえ押さえれば、今のライフスタイルを少し変えるだけで、理想を実現できるわけです。
残念ながらやってみないと分からない
“やってみないと分からない”と言った時は、普通は”迷わずに行動することが大事”という意味です。しかし、この場合は”だからこそ慎重になった方がいい”という意味です。
職業や居住地などライフスタイルに関わるものは、人生の中でも重要なものばかりです。それにもかかわらず、大胆で大きな変化が伴うことをして失敗する人が多いです。
だからこそ、いきなり大きな決断をせずにミニマムステップを踏み出す行動力と速さが重要です。
私の場合、サラリーマンを辞めて仙台に移住した際、一時期はさらに宮城県の田舎に移住して、就農することも考えていました。しかし、そんな大きな決断をする前に、まずは庭で家庭菜園を始めてみました。
自分で育てて収穫した野菜は、ことさら美味しく楽しいものでした。しかし、暑い中、蚊に刺されながら、地道に作業する必要がある野菜作りは、デジタルライフをしてきた私には、とても大変なことでした。
こんな自分が就農などしていたら、大変なことになっていたと思います。
意図的に幸せを追求すれば実現は早い!
人間はどんなことをする時でも目的があります。食事をするのは空腹を満たすためですし、寝るのは疲れを癒すためです。
ところが、人生でも最も重要なことの一つである”誕生”には、自分の意志は存在しません。”生まれたい!”と思って生まれてきた人はいないため、最初から目的を持って生きている人なんていません。
人間は目的が無いのに行動できるわけないのですが、実際には私たちは目的も分からず、生きるという奇妙なことをしているわけです。
だからこそ、この奇妙な毎日から早く抜け出した方が、人生はより素晴らしくなるはずです。
そのためにはなんとなくではなく、意図を持って、より自分の理想に近くなるような選択を繰り返すことが大事だと思います。
このブログでは、なんとなく生きることから、意図的に生きるようになる方法を書いています。よかったらご覧ください。



