
あなたは、嫌な仕事や苦手な仕事を、上手に断ることができますか?
最近の日本社会は、慢性的な人手不足です。コスト削減のために、最小限の人員しか雇わないので、一人頭の仕事量が増えます。
ストレスを少しでも減らすためには、難しい仕事は上手に断ることって大事なことだと思います。
でも、正直、振られた仕事を断るのって、簡単じゃないですよね?
仲間に迷惑になるかもしれないですし、断ったりしたら怒られるかもしれません。
上手な断り方を身に付けることって、社会人にとって必須だと思います。
そこで、今回は私も実践している、嫌な仕事を上手に断る方法をお伝えします。
もくじ
仕事を断るのが難しい理由
私たち日本人の中には、仕事を断るのが難しい人が多いようです。それはなぜなのでしょうか?
上手に断る方法を身に付けるためには、まずこの理由を知ることから始まります。
そこで、まずその理由から見ていきましょう。
インターネットやSNS、そして、実際に私が見てきた人などを分析してみました。すると仕事を断れないことには、主に次のような理由があるようです。
- 日本人の気質
- チームの仕事だから
- 仲間の目
- 叱られるから
もしかすると、あなたにも当てはまるものがあるかもしれませんね。
というわけで、それぞれを簡単に見てきましょう。
日本人の気質
まず、根底には日本人の昔からの気質があるようです。
例えば武士は、忠義を重んじます。
主君からの命令は、忠実に果たすのが正しいとするのが武士の考え方です。
そのような考え方は、やはり現代人の中にも残っているため、会社や上司からの命令にNoと言うのには、抵抗があるのかもしれません。
チームの仕事だから
日本人は和を重んじるなんて、よく言いますよね。
仕事を断ることが、チーム全体に迷惑をかけると短絡的に、考えてしまう人が多いようです。確かに自分が断れば、他の誰かがやらざるを得ないでしょう。
でも、実際には、無理して自分が潰れてしまう方が、よほど迷惑をかけるんですけどね。
これも日本人気質の一つかもしれませんが、時として自分を殺して、望まないこともやらされてしまうことがあります。
仲間の目
私たちは仕事を断ることは、“わがまま”というイメージがあります。
わがままばかり言えば、仲間の信頼を失います。
そう考えると、同僚の目が気になって、断ることができなくなります。
叱られるから
仕事を断ることは、”わがまま”と考えるのは、自分だけではありません。上司や同僚にも同じ考えを持つ人は、多いはずです。
そのため、仕事を断ることを、叱ったり批判する上司や同僚もいます。
そうなると、当然、仕事を断り辛くなります。
こうして理由を考えてみると、どれも私たちのDNAに染みついているようなものばかりです。
でも、時として、無理な仕事にはNoと言わなければいけない時だってあります。
そのためには、少し発想を変える必要があります。そこで、次は上手に仕事を断るための考え方や方法を見ていきます。
上手な仕事の断り方
私たちは仕事を断ることを、“わがまま”とか“自己中心”など、悪いことととらえる傾向があります。
それに対して『仕事を断ることは、悪じゃない!』とか『仕事ができる人は、仕事を断れる人だ!』なんて言っても、すぐに考えを切り替えることは難しいと思います。
なぜなら、自分がそう割り切っても、周りの人の言動が、すぐに変わるわけないからです。
だから、一番良いのは断るのではなく、上手に引き受けることなんです!
断るのではなく上手に引き受ける
仕事を断ることは、上司や同僚の目が気になって、難しいですよね?
罪悪感も感じますし、そもそもNoということ自体が、難しいと感じる人も多いはずです。
でも、仕事を引き受けることなら、罪悪感も周りの目も、全く問題無いですよね?
ただ、そのまま引き受けてしまっては、何の意味もありません。
そこで、無理なくできるような、条件やリクエストを伝えるのです。スケジュールを延ばしてもらったり、サポートを付けてもらうなど、無理なくできるような提案をするんです。
条件を付けるのすら、罪悪感に感じる人もいるかもしれません。条件付きでもちゃんと仕事をこなしていれば、上司や同僚の信頼は勝ち取れます。
無理な仕事を引き受けて、中途半端な働きをするよりも、確実に良い仕事ができるはずです。条件やリクエストを伝えて、仕事を引き受けることは、とっても建設的です。
建設的な条件やリクエストとは
では、建設的な条件やリクエストは、どのようにすれば良いのでしょうか?
ポイントは次のようなものです。
- 返答までに時間をもらう
- ポジティブな言い方にする
- 双方にメリットがある提案をする
- 条件やリクエストを妥協しない!
- 安全率20%を確保する
それぞれ、少し説明します。
返答までに時間をもらう
まず、重要なのはその場で、すぐに答えないことです。
冷製で正しい判断をするためには、一人で考える必要があります。だから、3分でも1分でも良いので、時間を貰って一人で考えてください。
その結果、そのまま引き受けるか?引き受けるにしても、条件やリクエストをどのようなものにするかを、ちゃんと考えましょう。
ポジティブな言い方にする
条件やリクエストを伝える時には、ポジティブな言い方にします。
『○○じゃないとできません』と『○○があればできます』という、両方の言い方は意味は同じです。でも、前者だと嫌々引き受けている印象ですが、後者は前向きな印象ですよね?
細かいことですが、とても重要です。”嫌だなぁ”という気持ちがあると、無意識のうちにネガティブな言い方になってしまいます。
どんな時でも、ポジティブな表現を使うことを意識しましょう。
双方にメリットがある提案をする
条件やリクエストは、お互いにメリットがあるものを考えます。
単に期限を延ばしてもらったり、作業量を減らすだけだと、一方的に自分の要求を伝えているだけになってしまいますよね?
そこで、期限を延ばしてもらう代わりに、少し作業量を増やしたり、相手の仕事を手伝ってあげるなど、相手のメリットも考えてあげます。
自分の提案を承諾した方が、メリットがあると感じてもらえるようにするのが理想です。
条件やリクエストを妥協しない!
条件やリクエストの内容は、決して妥協してはダメです。
仕事を断るのは、そのままだと自分には無理だからですよね?
一番重要なのは、引き受けた殻には、責任を持って、その仕事を完遂することです。
妥協した結果、イマイチな仕事をしてしまっては、何の意味もありませんよね?
引き受けるためには、無理の無い条件やリクエストを伝えることが重要です。
安全率20%を確保する
どうすれば、その仕事ができるかの条件を考える時には、常に安全率20%を含めましょう。
例えば5日の期間を貰えればできると思っても、安全率20%を加えて、6日の時間を貰います。
期限内に10個の仕事をできると感じても、安全率20%を差し引いて、8個にしてもらいます。
仕事というのは、どれか一つに集中できることなんて、ほとんどありませんよね?
必ず、割り込みや突発的な仕事が入ってきます。
そのようなことに対処するための、余裕を見込んでおくようにしましょう。
というわけで、条件やリクエストの伝え方のポイントを見てきたところで、今度は具体的な例を紹介します。
具体的な例
仕事を振られた時には、様々な理由で断りたくなることがあるはずです。
そこで、断りたい理由別に、引き受けるための条件やリクエストの例を紹介しておきます。
- スケジュールが厳しい
- 作業量が多過ぎる
- 苦手な業務
- 考え方に合わない業務
- メリットが無い業務
“量を減らしてもらう”、”他の人にも手伝ってもらう”ことなどをお願いします。責任を持って、期限までに終わらせることができる条件を伝えるようにします。
“期限を延ばしてもらう”ことや”他の人にも手伝ってもらう”ことなどをお願いします。スケジュールや作業量が厳しいなんて頃は、日常的によくある基本的なことです。常にできるようにしておいてくださいね。
“他にできる人がいない”とか、”成長して欲しいから”なんて理由で、苦手な仕事を振られることもあります。この場合は苦手な理由を説明した上で、”違う仕事に変えてもらう”、”他の人の業務と入れ替えてもらう”ことなどを提案しましょう。
ウソをついたり、質より売り上げを重視する必要があったりと、自分が望まない仕事を引き受けるのは、心の健康のためになりませんよね。この場合は、自分の望むやり方を提案します。それが受け入れられない場合は、別の仕事に変えてもらうようにお願いします。
やりがいを感じない仕事や、成長に繋がらない仕事など、やる気が起きない仕事を振られても、結局、生産性は上がりませんよね。この場合は、その仕事をやる期間や量を短くしてもらうようにお願いしたり、より高い価値が生み出せると思う仕事に、変えてもらうようにお願いしましょう。
いずれの場合も、条件やリクエストをよく考えることが大切です。
頭を使えば、みんなが納得できる知恵が出てくるはずです。何でも引き受けるのではなく、一旦持ち帰って、やりやすい条件を考える癖を付けてみてくださいね!
まとめ
ビジネス書なんかを読むと「仕事を断れない人は、仕事ができない人だ!」なんてことが、書いてあったりします。
確かに自分の仕事に自信があれば、そう言えるかもしれません。
でも、最初から仕事に自信がある人なんて、いませんよね?だから、上手に仕事を断る方法を身に付けることは、とっても重要なことなんです。
というわけで、この記事の内容をおさらいしておきますね。
- 断るのではなく無理の無い範囲で引き受ける
- 条件やリクエストはみんなにメリットがある形にする
- 条件やリクエストの内容は妥協しない
実は頭を使えば、断らなければいけない仕事は、ほとんど無いことに気付くはずです。
断ろうと思うと難しいですが、無理な無い範囲で引き受けるのであれば、かなりハードルは下がるはずです。
何よりもちゃんと仕事をこなすことで、自分にも自信が持てるはずです。
上手に条件を伝えることは、みんなにメリットがあることです。ぜひ、これを身に付けて、仕事を充実させてくださいね。