
あなたにとって仕事は、どのようなものですか?
仕事って、自己実現のために一番重要なものですよね?やりがいや楽しさ、喜びを感じられるものであるべきです。
でも、それが「辛くてしょうがない」という人が増えています。
もしかしたらあなたも、仕事が辛くて「誰か助けて欲しい!」「辛くて涙が出る!」なんて状態かもしれませんね。
でも、そうやって弱音を吐く人に対して「それは甘えなんかじゃない。だから、自分にできる範囲で仕事をやれば良い」なんていう人がいますね。
しかし、私は仕事が辛いというのは、一周回ってやっぱりそれは甘えだと思っているんです。逆に“甘えじゃない”なんて言うことで、事態を悪化させてるんです。
こう考える理由は、昔の自分がまさに、甘えている自分を受け入れられず、事態を悪化させている人だったからです。
辛い仕事をなんとかしたいなら、まずは”甘えている自分を受け入れる”ことから始めるべきかもしれませんよ!
というわけで、今回は小手先のテクニックではない、辛い仕事の対処法をお伝えします!
「仕事が辛いから助けて!」は甘えなのか?
よく”仕事が辛いのは甘えじゃない”という声を見かけます。
冒頭にも書いた通り、その考え方は問題の解決にはならないんです。まず、それが自分が甘えていることを、受け入れる必要があるんです。
では、辛いのはなぜ甘えだと言えるんでしょうか?
そのために、まず、代表的な「仕事が辛い理由」を見て見ましょう。
仕事が辛い主な理由
Googleで「仕事 辛い 理由」なんてキーワードで検索すると、たくさんの辛い理由が出てきます。
それらをまとめると、大体このようなものになるようです。
- 辛い人間関係
- 仕事が苦手
- 経営者・上司のやり方が合わない
- 残業が多い
- 仕事量が多過ぎる
- 仕事の成績が悪い・評価されない
元SEの経歴を持つ、私の事例などを交えながら簡単に説明しますね(-_-;)
辛い人間関係
上司や同僚、取引先の人など、仕事で関わる様々な人との関係に問題があると、辛くなりますよね。
嫌な人には、いろんなタイプがあると思います。
- 強圧的で理不尽な事ばかり言う上司
- 上司から説教ばかりされる
- 責任を部下に押し付ける上司
- 理不尽な要求をしてくるお客さん
- 自分を責めるばかりの先輩
- わがままで不満ばかりの後輩
- そりが合わない同僚
仕事は一人でできるものじゃありませんよね。だから、一緒に仕事する人は、大きな影響があります。
私の場合は、すぐに切れるプロジェクトリーダーに泣かされました(-_-;)
何か問題があると、すぐに内線電話で追求してくるんです。無視していると、どこにいても探し出して、理不尽な要求を並べ立てくるんです。でも、こんなのは辞めたくなるほどの問題じゃなかったですけど…。
仕事が苦手
自分の能力に合わない仕事だったり、達成できる見込みのない目標を課されたりするのは、大きなストレスですよね。
一言で苦手と言っても、例えばこのような理由があると思います。
- 経理希望だったのに営業部に配属された
- SEなのにやってることは調整業務ばかり
- ウソを強要される
- やりたくないことをやらされる
- 売り上げ重視でお客さんのことは二の次
- 仕事が難しすぎてついていけない
私の場合は、定額予算で短期間でシステム開発することがミッションでした。そのため、関連部門やシステム開発会社さんとの調整が重要な仕事で、時には圧力をかけてこちらの無理な要求を承諾してもらう必要がありました。
当然、拒否されることばかりで、様々な人たちからのプレッシャーで、本当に大変でした…。
経営者・上司のやり方が合わない
経営者や上司の考え方や仕事のやり方が合わないのも、辛い理由になります。
売り上げのためには、手段を選ばなかったり、自分が望まない事を強要されたりするのは、本当に辛いことだと思います。
- 売り上げや業績優先
- リードせず、全て部下任せ
- 次々に新しいことに手を出す
- 社員の労力やコストのことを考えない
- 独善的で自分のやり方を押し付ける
- 何を相談してもいつも説教されるだけ
残業が多い
残業が多いのは、誰にとっても辛いことですよね。
単純に体を壊す原因になりますし、自分の時間を持てずに、心の健康にも悪影響です。
また、単なる残業以外にも、私たちを疲弊させる隠れ残業は色々あります。
- 休日にも仕事の電話に出る必要がある
- 給料が安くて残業せざるを得ない
- 飲み会や懇親会への参加を強要される
- 残業の圧力が凄い
- 残業しないと終わらない前提のスケジュールになっている
心が仕事から解放されないと、本当の休息にはなりません。心が仕事に拘束されている間は、残業しているのと同じ状態です。
私も100時間超えの残業をした経験がありますが、その間は人生が仕事だけになってしまい、本当にボロボロになりました。
仕事量が多過ぎる
仕事量が多いのも、大きな辛さを生みます。
仕事量が多いと感じる原因には、色んなものがあります。
- 会議や打ち合わせが多過ぎる
- 昼間は他の業務中心で自分の仕事ができるのは夕方から
- 残業代が出ないので定時時間でやらざるを得ない
- リーダーの業務管理がいい加減
- 上司の思い付きで仕事を振られる
最近は大規模効率化が進み、人件費もギリギリまで削ります。そのため、少ない人数で、過剰な仕事をこなす必要が出てきます。
私の職場も、コスト削減のためにギリギリまで、人を削っていました。そんなわけで、大時には、一人で3つも4つもプロジェクトを回していました。
普通は一つのプロジェクトに集中するものなのに、考えられないやり方です…(*_*;
仕事の成績が悪い・評価されない
仕事で成果が出ないのは、辛いだけでなく自信を失います。
でも、その理由は様々です。
- 自分の得意分野が評価されない
- 会社の方針と自分のやりたいことが違う
- いつも叱られてばかりで自信が持てない
- 目立った成果を上げた経験が無い
- 自分よりも凄い人ばかりいる
仕事というのは、その人のアイデンティティーでもあるので、それで評価されないのは、自分を否定されているように感じてしまいます。
私も同僚たちのように、仕事ができない自分に自信が無く、ずっと自分はダメだと思っていました。
でも、これらの様々な辛さを見てると、これのどこが甘えだというんでしょうか?
甘えだと言える理由
これらの辛い理由を見てみると、実はどれも“仕方がないこと”だということが分かります。どんな会社にだって、嫌な人はいるものです。経営者や上司の方針と合わないことだって、よくある話です。
みんな様々な”仕方ないこと”に上手に折り合いをつけて、仕事を頑張っているわけです。
だから、やっぱり仕事は基本的に辛いものであり、それで仕事が嫌になってしまうのは、やっぱり甘えではないでしょうか?
仕事をしなければ、給料はもらえません。生きていくためには、忍耐して仕事を頑張るしかないわけです。
じゃあ、私たちはこのような甘えを捨てて、歯を食いしばって仕事をしなければいけないんでしょうか?
もちろん、私はそんなことを言いたいわけではありません!
誰だって、向き不向きや、得意・不得意があります。自分に合わない仕事を、無理にやれば誰だって辛くなるでしょうし、逃げたくもなるはずです。
他人が見れば甘えてるように見えるかもしれません。自分に厳しい人なら、甘えてるなと思うかもしれません。
でも、それも”仕方がないこと”です
問題は仕事が辛いのを、”甘えじゃない”と言ってしまうことなんです。
では、なぜこれが問題なんでしょうか?
大切なのは甘えを受け入れてギブアップする事
「辛いのは自分のせいでも、甘えでもない。だから仕事を頑張らなくてもいい」
これって良いメッセージ聞こえますが、これだとありのままの自分を受け入れることに繋がりません。
仕事が辛い原因は、自分にも当然存在します。そして、その原因というのは、恐らく簡単には解決できないもののはずです。
なぜなら、簡単に解決できるのであれば、そもそも辛さなんて感じるはずないからです。
例えば私の場合はこうでした…。
私の場合は、システム開発会社や他部門に対して、強く要求することができないのが悩みでした。無理な要求をすれば、相手も苦しいだろうと思うと、無理強いすることができなかったんです。
また、システム開発会社も、他部門も、無理な要求は拒否しないと、彼らの不利益になります。だから拒否するのは正しいことだと思います。
でも、強く言うことができない私は、仕事が進まずスケジュールに遅れを出すことが多かったです。その結果、上司や仲間にも随分、迷惑をかけました。
仕事では、無理な要求をするのも、それを拒否するのも、実は正しいことなんです。”相手が困るから”なんて理由で、やるべきことをやらないのは、やっぱり甘えですよね?
でも、違う見方をすれば、理不尽な要求をして、相手を苦しめないことだって正しいことのはずです。
だから、私は甘えていることを受け入れられず、自分は正しいはずだと考えて、中途半端に仕事を続けました。
結局、そうやって、ズルズルと辛い仕事を続けて、最後は働けなくなるくらいまで、体を壊してしまいました。
甘えじゃないと肯定してしまった時点で、辛い原因を掘り下げるのをやめてしまいます。最悪の場合、“甘えじゃない””自分のせいじゃない”と言い聞かせて、辛い仕事を中途半端に続けてしまいます。
重要なことは、甘えてるとか甘えてないとかじゃありません。どちらにしても、その仕事が無理なのは、明確な事実のはずです。
解決できないくらい、大きな問題がある仕事なら、前向きな形でギブアップしてしまった方が良いかもしれません。
大切なのは、甘えている自分、仕事ができない自分を受け入れて、別の道や仕事を探す事なんです。
でも、そんなこと言われても、簡単じゃありませんよね?別の道や仕事を探すのも、時間がかかります。
そこで、最後にすぐにできる、仕事の辛さを減らす方法を紹介します。
仕事を辛いものじゃなくする方法
ここまでの話を踏まえると、仕事の辛さを軽くするポイントが見えてきます。
それは、”甘えている自分を受け入れること”と”ギブアップすること”です。
この2つのポイントを基に、順番に3つの方法を紹介しますね。
職場だけを自分の世界にしない
以前、ある女性が過重労働のストレスを苦にして、自殺してしまうという傷ましい事件がありました。
でも、私たちはそのようなニュースを耳にすると、こう思わないでしょうか?
- 「死ぬほど辛いなら会社を辞めれば良いのに」
- 「仕事だけが人生じゃないのに」
- 「悪いのは自分じゃないんだから死ぬことないのに」
どれも、本当にその通りだと思います。仕事なんてその人の人生のほんの一部ですし、代わりの仕事は他にいくらでもあります。
でも、仕事が辛いと感じる人には、こんな考え方はできないんです。
その会社、その職場で、どのような仕事をするかが、自分の全てになってしまうんです。そして、自分が仕事で成果が出せなかったり、上司や同僚との関係が悪くなると、自分の存在意義が傷付いてしまうのです。
また、忙しくて疲弊すると、人生に希望を感じられなくなります。
実は私もそうでした。仲間に迷惑ばかりかけている自分は、社会人失格だと考えていました。
今はブログ講師として、色んな方を稼がせた実績を持っています。こんな私でも、先生と呼んでくれる人たちがたくさんいらっしゃいます。胸を張れる仕事がみつかり、自分にも自信が持てるようになりました。
システムエンジニアをしていた頃の私には、今の私は予想がつかなかったと思います。
当時の仕事は、単に自分に合ってなかっただけです。
理想は自分の天職を見つけたり、自分が得意な副業をやってみることですが、それ自体も時間がかかります。
そこで、仕事じゃなくても良いので、ボランティア活動や、様々なコミュニティに参加して、自分の世界を仕事だけにしないようにして、視野を広げてみてください。
できない事にはキッチリ線を引く
仕事が辛くなる一番の原因は、自分には無理な仕事を続けることです。
どんなに辛い仕事でも、その職場の仕事が丸ごとすべて辛いわけじゃないと思います。
そこで、辛い業務と、辛くない業務に、キッチリと線引きして、辛い業務には手を出さないようにします。
この時に大事なのが、”甘えてる”とか”甘えてない”なんて考えなくて良いので、単純に無理かどうかで判断することです。
完全にNoというのが無理な場合でも、サポートを付けてもらったり、量を減らしてもらうなど、必ず何か対策をしてください。
チームでやる仕事の場合、無理な仕事を続けるのは、自分だけでなく仲間にも迷惑が掛かります。
無理な仕事を引き受けるのは悪だと考えて、キッチリと線を引いてくださいね。
正しいギブアップの方法を覚える
最も重要なのは、上手にギブアップすることです。
仕事のストレスを抱える人は、これが非常に下手です。健全な社会生活を過ごすためには、必須のスキルです!
多くの人は、断ることにこのようなイメージを持っています。
- 怒られる
- 迷惑がかかる
- 信頼を失う
- 嫌われる
確かにただ断るだけなら、このような悪影響があると思います。
大事なのは、仕事を断らない事なんです!
多くの人は、ギブアップすることは、仕事を断るとか、投げ出すことのように考えています。でも、これは最悪のギブアップ方法です。
上手なギブアップは“どうすれば仕事が続けられるのか?”を考えて、それを伝えることです。
引き受ける代わりのトレードオフとして、条件やリクエストを伝えるんです。
条件やリクエストとは、例えばこのようなことです。
- 量を減らしてもらう
- 期限を延ばしてもらう
- 苦手な部分を誰かに手伝ってもらう
- 苦手な部分を減らしてもらい、それ以外をたくさんやる
- 苦手だと伝えて担当を入れ替えてもらう
このような条件やリクエストをするためには、何が辛いのかをハッキリさせておくことが大事です。
そのためにも、”甘えてる・甘えてない”なんてことに悩まず「この業務は無理!」とスパッと割り切ることです。
そして、無理な業務を免除してもらう代わりにできる、他の仕事を建設的に提案してください。
仕事を断るわけじゃなければ、不安や罪悪感なくできるはずです。
“ポジティブギブアップ”は凄く役に立つスキルなので、ぜひ、身に付けてくださいね。
まとめ
実は「自分は甘えてるんじゃないか?」とか「あなたは甘えてない。」なんて考えやメッセージは、実は全然建設的なものではありません。
事実として、その仕事が辛いことには変わりませんよね?
そうだとしたら、必要なことはギブアップしてしまうことです。この単純なやるべきことに気付くだけでも、全然違うはずです。
そのためのコツをもう一度まとめておきますね。
- 甘えてることを受け入れてギブアップすることが大事
- 仕事ができないことは、自分の人格を否定することにならない
- 自分に合う仕事は他にいくらでもある
- 上手なギブアップは仕事を放棄するのではなく、代わりの条件を提示する事
最終的には、辛くない仕事、自分が誇れる仕事を見つけることが一番です。
ぜひ、そのための一歩を踏み出してみてくださいね!